お焼香の回数は一回?二回?三回?

お焼香といえば、葬式や法事で行われるのを一度は体験していると思いますが、そのお焼香の方法は何が正しいのか迷いがちですよね。
 有名な笑い話で、オスマン・サンコンさんが日本で初めてお焼香をした際、参列している人が炭に抹香をくべているのを食べているのと勘違いして、抹香を食べて、最後に「ご愁傷様(ゴシュウショウサマ)」と言うところを「ご馳走様」と言ってしまったというエピソードがありました。こんな間違いはまぁないでしょうが・・汗

そもそも、お焼香のいわれはなんでしょうか?
 お焼香はお釈迦様の在世の頃からの儀式とされていて、焼香の香りが一堂に会する人々の身と心を清浄するとともに、香りが隅々まで行き渡る事から、全ての人々に差別無く行き渡る仏の慈悲を表し、たたえるものとされています。
 日本では、古墳時代に仏教伝来とともに香木が使われはじめました。
 『日本書紀』には「推古天皇三年(五九五年)四月にひと抱えもある大きな沈水香木が淡路島に漂着し、島人がそれと知らずかまどに入れて薪とともに燃やしたところ、その煙が遠くまで薫り、これを不思議なこととしてこの木を朝廷に献上した」と記されています。

 さて、浄土真宗のお焼香の作法ですが、「線香に火をつける」のと、「火をつけた炭に抹香をくべる」の二つ方法があります。
 「線香に火をつける」の方は簡単です。市販の一本の線香を二つ又は三つ位に折って香炉(コウロ)に立たせないで横に寝かします。寝かすと香炉の灰の状態によっては線香の火が消える場合がありますのでその場合は立てても結構です。

 次に「火をつけた炭に抹香をくべる」方です。これは通夜・葬儀でよく経験しますね。
 統一規格は無く宗派によって様々なのが現状ですが、
1、焼香卓の一歩手前で一揖(イチユウ/軽くおじぎ)する。
2、抹香を一回だけつまみ香炉の炭にくべる。
3、合掌・礼拝・お念仏(※額の所でおしいだきません。)
4、焼香卓の一歩手前で一揖(イチユウ/軽くおじぎ)する。
以上が、浄土真宗本願寺派のお焼香の作法です。
※ご家庭での法事の場合は場所の都合上、お盆の上に香炉と抹香を置き、一人ずつ回して焼香していきます。これを回し焼香といいます。

 他宗ではどうでしょうか?
天台宗・真言宗では焼香は三回で、線香は三本立てます。身・口・意の三業を清める意味から。
浄土真宗大谷派(お東)では焼香は二回とされています。
浄土宗・曹洞宗・日蓮宗では決まりはありません。