阿弥陀様はなぜ蓮の上に立っているの?

最近は若い女性の仏像マニアがいるくらい仏像鑑賞が静かな人気となってきているらしいですが、ちょっと、身近にある仏壇の仏様を観察してみましょう!
そもそも仏像には表情や態度で表しているものがあるのです。

では、浄土真宗での礼拝の対象である阿弥陀様を観察してみると、蓮の上に立ってらっしゃいます。なぜでしょうか?忍者のすいとんの術のように浮くためではなさそうです。
実は、蓮という花は、汚くてよどんだ水の上でも立派に気高く咲く花なんですね。その「汚くてよどんだ水」を「煩悩にまみれ争い絶えないこの世」としてとらえ、この世の上で全ての者を救おうという意志の表れなんですね。しかも、座っているのではなく立っておられるのは座る暇が無いほどあちこちへ救いに行くからということです。

そして仏像をよく見ると手の形がちょっと何かを表しているようです。
手の形によっても教えを表している、このことを印相(いんそう)といいます。
阿弥陀様は両手の人差し指と親指をワッカにして右手を上げておられます。この右手は極楽浄土というすばらしいところへお招きをされています。
左手は手のひらを上にして前に出されています。これは全ての者を救い取ってやるぞ、と誓っているお姿です。
このように仏像の表情や態度は仏様のお働きを表したものだったんですね。
浄土真宗では阿弥陀仏像の他に「南無阿弥陀仏」の名号(墨文字の掛け軸)も礼拝の対象としています。

ついでに他の仏像もご紹介しておきます。
仏像には大きく分けて、ランク順に「如来(ニョライ)」「菩薩(ボサツ)」「明王(ミョウオウ)」「天(テン)」があります。
如来とは・・・現世ではなく真理の世界の人という意味があります。釈迦如来・阿弥陀如来・薬師如来・毘盧舎那如来・大日如来があります。
菩薩とは・・・現世で修行しながら人を救う使命のもった人の意味で、如来の助け役でもあります。観音菩薩(カンノンボサツ)弥勒菩薩(ミロクボサツ)文殊菩薩(モンジュボサツ)」「普賢菩薩(フゲンボサツ)」などがあります。
明王とは・・・教えに従わない者を威圧して仏道に導く意味があります。「不動明王(フドウミョウオウ)」が有名。
天とは・・・インド神話で信仰され取り入れられた国家護持の神々のこと。「梵天(ボンテン)」「帝釈天(タイシャクテン)」「四天王(シテンノウ)」などがあります。